5.14 Today is the anniversary of Ferdinand Beyer’s death

5月14日はフェルディナント・バイエル氏の命日
1863年56歳で死去

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ドイツの作曲家、ピアニスト。1850年頃に著した『ピアノ奏法入門書』(Vorschule im Klavierspiel op. 101)、いわゆるバイエルピアノ教本は、ピアノを学ぶ者に最適な入門書として日本で長く親しまれている。

「バイエル教則本」は1881年(明治13年)にアメリカ人ルーサー・ホワイティング・メーソンによって日本に紹介された。その背景として、アメリカ・ニューイングランド音楽院のピアノ教授スタッフの一人、シュテファン・アルベルト・エメリーがメーソンをバックアップしており、当時のニューイングランド音楽院ピアノ教育課程でも「標準的な作曲家のものから採った」中にバイエル教則本の一部がふくまれていたことがわかっている。今日日本で標準的に手に入る「こどものバイエル」等、各種の「バイエル教則本」の類は上述のエメリーの他、また園田清秀一宮道子田中すみ酒田富治らの編集・拡張が加えられたものである。これらは高度経済成長期の一般家庭へのピアノの爆発的普及を背景に、日本独自の「バイエル文化」とも言えるものを築きあげる事となった。「赤本」(上刊)と「黄色本」(下刊)という分け方も独自のものである。安田寛は、これらの事情から日本に最も影響を与えた音楽家はバッハやモーツァルトよりも寧ろバイエルであるとしている。またその教則本の本来の意図は、1番と2番で現れる主題に対する変奏曲を中心としたものであり、上述の母方のドイツ・プロテスタント音楽の伝統に乗っ取り、コラールを始めとする賛美歌の伴奏を行えるようにする為の訓練ではなかったか、としている。