3.09 <#名盤誕生> Somethin’ Else/Cannonball Adderley & Miles Davis

 1958年3月9日、Miles Davisは不遇の時代に手を差し伸べてくれたBlue NoteのAlfred Lionの恩義に報いるため「Somethin’ Else」を録音しました。契約の関係で自分は表面には出られず、子分のJulian Cannonball Adderleyの名義を借りて録音しています。

Autumn Leaves

1 Autumn Leaves
2 Love for Sale
3 Somethin’ Else
4 One for Daddy- O
5 Dancing in the Dark
Miles Davis tp
Julian Cannonball Adderley as
Hank Jones p
Sam Jones b
Art Blakey dr
Recorded in Mar 1958
Miles Davisが子分のCannonball Adderleyのために舞台を作ってやった結果が、古今東西の名盤となってしまったという逸話が嬉しい盤です。この時代、つまり50年代末の良い面を巧く切り取った盤として、多くの人が「LPが擦り切れるほど聴いた」というほど好まれるのも当然のことでしょう。少し聴き込んで行くと、これほど各人が共通して、自身の上出来のレベルで演奏した盤は他に例が少ないことに気づきます。例えば、Art Blakeyを単なるお囃子の親父と思っていた初心の頃の勘違いを恥じたのも、この盤などがきっかけであり、彼の鼓舞する叩き方に注意するようになりました。Hank Jonesの転がるようなアドリブも良いし、Sam Jonesのベースもふやけずに、ブッとくて参ります。